こんにちは。
HSP専門コーチ・カウンセラーのemiです。
HSP(Highly Sensitive Person)であるあなたは、職場や日常生活で苦手な人との関係でストレスを感じることが多いのではないでしょうか?この記事では、Embraceが独自に開発した「HSPが苦手な相手に感じる苦痛の尺度(HSP-FDS)」を用いて、段階別に適切な対処法を詳しく解説します。
「どうして、ああいう言われ方をしないといけないのだろう」
「私が悪いのだから、仕方ないけれど…つらすぎる」
仕事上で橇の合わない先輩や上司から感情的な態度を取られたり、強い口調で叱責されるようなことがあると、HSPは自分の存在までも否定されたように感じて、周囲の景色も色合いを失うほどに、ひどく落ち込むことがあります。
「私が何か悪いことをしたのだろうか?」
「何か気に障るようなことをしてしまったか?」
また、直接自分に対して向けられたものでなかったとしても、目の前でドアを強く締められたり、音を立てて近くに書類を置かれること等があると、自分が何か悪いことをしたのかと深く考えて悩み、その場に留まることに対して大きな抵抗を感じるようになるでしょう。
他者の行動や感情に敏感に反応するHSPは、このように常に対人関係の影響をダイレクトにその身に受けて、時に傷つき、悩み、苦しみ、痛みを抱えることになるのです。
HSPが苦手な人に感じる苦痛の段階(HSP-FDS)を活用する
「そんなに気にしなくてもいいよ」
周囲の同僚がかけてくれる言葉に救われて、折り合いの悪い上司や先輩とのやり取りを忘れようと努力して、眠りにつく日々。
それでも一夜明けて、いざ仕事に向かうとなると足取りは重く吐気すら感じる。
そのような逃げ場を失ったHSPにとって、職場は牢獄のように感じることもあるかもしれません。
ここからは、そのような悩みや違和感を持つ方へ、自身のストレス度に合わせた具体的な対処法をお伝えしようと思います。
先ずは、苦手な相手に感じる苦痛の程度を、以下の4段階のステージ表(FDS)で確認し、現在の状態を自己認識することから始めていきましょう。
HSP-FDS(Feeling Distress Stage)は、HSPが苦手な相手に対して感じるストレスを4つの段階に分類する尺度です。この尺度を使うことで、現在の自分の状態を客観的に認識し、適切な対処法を見つけることができます。
HSP-FDSはあくまでもEmbrace独自の判断基準であることをご了承頂き、ご自身が苦痛に感じる度合いを確認する目安として、ご活用してください。
HSP-FDS (Feeling distress Stage)
ステージ1 | 相手のポジティブな部分に目が向けられ、状況によっては、その相手を良い人とだと思える余力がある。 |
ステージ2 | 相手と一般的な挨拶や、仕事上の関わりはできるが、必要最低限の接触以外はしたくないと思う。 |
ステージ3 | 相手と同じ空間を共有することに抵抗を感じる。できれば相手の声は聞きたくないと感じ、また仮に差し入れ等をもらったとしても食べたいと思わない。 |
ステージ4 | 相手と同じ空間を共有すると想像しただけで、息苦しさを感じる。その他、吐き気や頭痛、腹痛、不眠など身体にまで影響がある。 |
ステージ1:苦手な相手との関係を改善するためのポイントを意識する
この段階では、まだ良好な関係性を築く余地があります。相手に対して適度な距離を保ちつつ、理解を深めることで、関係が改善する可能性があります。
実際にここから相手に対する理解を深めて、適度な距離を保ちつつ、こちらからも無理のない程度に歩み寄る姿勢を見せることで、意外と相手から目にかけてもらう機会を得たり、困った時にはサポートをしてもらえることもあるかもしれません。
人見知りなHSPにとって、この段階は、双方の相性を見極める初段階ともいえます。
「意外と自分のことを、気にかけてくれていた」
適度な距離を保ちつつも、相手からサポートを受けたり、学びがあった場合には、素直な感謝の気持ちを言葉にして伝えてみましょう。
自分から自己開示することによって、実は相手も歩み寄る機会を待っていた!というような場面から、段々と距離が縮まって、気づけば理解し合える関係性になっていたということも十分にあり得ます。
私自身もかつてこのような関係性からスタートした上司がいましたが、今ではとても良い関係となり、何かにつけて手助けをしてくれる有り難い存在です。
肩の力を抜いて、自分のペースで、自然に相手と接することを忘れないでくださいね。
ステージ2:距離感を保ちつつ仕事に集中する
仕事上でのやり取りを最低限にし、プライベートとの境界を明確にすることで、ストレスを軽減します。
「相手には相手の正義がある」
「自分の正義も時に相手を傷つけることがある」
この段階に身を置くとき、私はいつもSEKAI NO OWARIの『Dragon Night(ドラゴンナイト)』の歌詞を思い出します。
おそらく、多くの方がステージ1と2を行ったり来たりする中で、苦手な相手との距離間に悩みストレスを強く意識する場面もあるかもしれません。
自分なりに出来ることを精一杯しても、相手との関係性に改善が望めないようであれば、フィーリングの見極めと、関係性をややドライに割り切えていくことが必要です。
相手との適度な距離を取りつつ、仕事上でのやり取りが終われば、そこまでの関係性としてそれ以上の感情移入はせずに、仕事とプライベートのオンとオフを意図的にしっかりと切り替えていきましょう。
相手とのフィーリングについては、それほど期待せず、かといって否定もせずに、それが相手の考え方や価値観で自分とは違うものと割り切って考えることに留めます。
ステージ3:職場でのストレスが限界に達した場合の対策について
この段階まで進むと、仕事自体にも影響が出始めるギリギリのラインとも言えます。
適度な距離だけでは十分な対処法とは言えず、そこに相手からパワハラやセクハラのような言動や行為が含まれているなら、早めに職場内の人権管理部署、信頼のおける上司や先輩に相談することをお勧めします。
第三者に介入してもらうタイミングと言ってもいいでしょう。
「私は自分を守るために、できることをする」
HSPは自分の内面的な気持ちを言葉にして表現することがあまり得意とは言えませんが、この段階では一人で悩まずに、第三者のサポートも積極的に取り入れていきましょう。
そこで、何かしらのサポートが得られれば、それに越したことはありませんが、もし、周囲からの介入が望めない場合には、これ以上このような場(職場や会社)に身を置き続けることが、本当に自分にとって「幸せ」につながるのだろうかと、問いかけてみることも必要な時期と言えるでしょう。
「自分は、本当はどうしたいのか?」
「このような場所に、それでも身を置き続けなければいけない理由は何か?」
「自分が本当に背負わなければいけない課題なのか?」
現実は、自分の心の投影とも言われています。
この段階まで来ると、おそらくHSPは、苦手な相手との関係性から、自分自身と真剣に向き合い、場合によっては自分の中にあるこだわりや、心のブロックがあぶり出されてくることがあるかもしれません。
その結果、何らかの形で環境を変える選択が必要になってくる場合もあるでしょう。
意外に思われるかもしれませんが、実はこの段階で、HSPが自分自身と真剣に向き合ったことをきっかけにして、新たに自分が進みたい道を見つけ、次のステップへと扉が開いていくことも往々にしてよくあることなのです。
今一度、自分の心の声に耳を傾けてみてください。
ステージ4:身体への影響が出ているときの対処法
「わたしは、私らしく生きてもいい」
もうそろそろ、ここまで我慢し続けた自分を解放し、「できない自分」「不器用で不甲斐ない姿の自分」を許してあげる時が来たようです。
苦手な相手とは、離れる選択を考えます。
そして、他者はコントロールできないことを前提として、自分が変わる選択を本格的に進めていく時が来たと切り替えていきましょう。
この段階では、HSPの繊細な心はすっかり疲弊し、今の自己評価はきっと最低・最悪だとは思いますが、自分を最後に守れるのは、親でもパートナーも友人でもなく、あなた自身であることを忘れないでください。
もし、身体症状が強く、日常生活に支障があるような場合は心療内科等の受診も視野に入れ、適切な対処をしていくことが大切です。
HSPだと自己判断していても、実際は気質の問題ではなく、うつ病や不安症を発症しているケースもあるからです。
いずれにしましても、この段階ではこれ以上、無理はせず心身を休めることが重要です。
そして、過敏な五感、共感性を抱えながらも、よく頑張ってきた!と今一度、自分自身を抱きしめてあげてください。
自分で自分を認め、癒すことが実はとても効果的です。
私もこの段階まで達したことが、これまでの人生で何度もありました。
自分に鞭打って根性論で武装を固め突き進んできた過去もあります。
家族のため、生活の為と理由はいくらでも挙げられますが、弱い自分と向き合うことは避けていました。
そしてようやく、理由を外側に求めて、転職など環境を変えても自分自身が内側から変わらなければ、また同じことを繰り返すと気づいたのです。
自分が本当はどうしたいのか?
どのようなライフスタイルを送りたいのか?
限りある人生、見たい景色はどのようなものか?
HSPの疲れ切った自分の心と身体に真剣に向き合うことが、この時期の一番の対処法です。
Embraceがお勧めするセルフメンテナンス
①自分に心地の良い癒しを見つける:セルフケア(アロマ、マッサージ、運動)鍼灸治療、空間、趣味など
②自己のHSP特性について受容する:知見を広める、セルフケア、カウンセリングなど
③他人軸>自分軸の割合を自覚する:セルフケア、コーチング、ティーチングなど
* 自分らしい生き方へと視野を広げる:①~③に準じる
大丈夫です。
あなたには乗り越えらえる、とてつもない力が実は内包されています。
それを引き出す行動ができていないから「ストレス」を感じているのです。
なぜならストレスとは、実は行動できない自分に苛立ったり、絶望したり、否定したりを繰り返している。
だからこそ、その根底にある自分自身と向き合うために自分に合ったセルフメンテナンスを取り入れましょう。
こうしたメンテナンスと癒しを進める中に、HSPの直感を研ぎ澄まして、次へ切り替えるタイミングを感じ取ったら、勇気を出してアクションに繋げていく!
顕在意識(意識している)5% < 潜在意識(意識していない)95%
潜在意識という人が持つ可能性は無限大に秘められたままです。
全て他者の責任で終わらせずに、そこから「自己」を意識して新たな進化の機会を得たのであれば、それは「意味のある事だった」と後から必ず気づくことにつながります。
さあ、深呼吸して・・・勇気を出していきましょう(^-^)
多くの悩めるHSP気質の方が、自分らしい選択の下で、生き生きと輝いて人生を謳歌していけますように。
HSPに関する悩みをお持ちの方は、Embraceの60分体験セッションにぜひお申し込みください。