HSPが「辛い」と感じる15個の限界サイン

こんにちは。

HSP専門コーチ・カウンセラーのemiです。

今回は、HSPを題材にした4コマ漫画からインスピレーションを得て、現在辛い思いを引きづりながら、辞めたい仕事を続けていらっしゃる方々に向けてお伝えします。

少しでもお役に立つ情報となれば幸いです。

目次

「わたし、HSPなので仕事に配慮してください!」

「自称HSP」の彼女はそう言って、書類の束を上司に突き返した。 

先日、SNSのトピックスに表示され、目に留まった「自称HSP 20代女性OL」を題材にした漫画の一コマです。

HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリーセンシティブパーソン)の略で、「生まれつき人一倍敏感な気質を持っている人」を示し、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が定義づけたことをきっかけにして、注目されるようになった言葉です。

HSPは全人口の15~20%、5人に1人いると言われ、「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特徴すべて満たす人がHSPと呼ばれます。DOESは以下4つの特徴の頭文字から来ています。

D :(Depth of Processing)何事も様々な角度からじっくり深く考える。

O :(Overstimulation)様々な外界からの刺激に敏感で反応しやすい。

E :(Emotional Reactivity and Empathy)他者に感情移入して反応、共感しやすいために自分も同じような気分になる。

S :(Sensing the Subtle)五感の鋭さを持っており、些細なことが気になり、感情などの小さな変化にも気づく。

このような特性から、HSPは五感疲労と共に共感性疲労を生じやすく、ネガティブな思考に傾きやすいと言われていますが、その反面感性が鋭く、美的感覚に優れ、芸術的センスに恵まれているという特徴があります。

「自称HSP」である私もなんとなく、この「シーン」に違和感を覚え、思わず気になってその記事をクリックしたのでした。

作者のコメントでは、「自称HSP」の人を本物か偽物か周囲が見分けるのは難しいと前置きされたうえで、本当にHSPの人が勇気を出して発した一言だとしたら配慮すべきだと思うが、「偽HSP」だとしても「そう言われた」以上は配慮しなければならない難しさがあると語っていました。

確かに、HSPは「病気」ではない為、気質的傾向として、一般の「HSP」診断テスト等を自ら実施して、自分が「繊細気質」や「過敏気質」の傾向が高いかどうかを判断することになります。

そこから自由に、自分は「HSP」だと「自称」することが可能になります。

ここで、私がこの漫画に感じた「違和感」は、果たして「本物」のHSPが、この漫画の主人公のように、自分の「ネガティブ」な面を堂々とアピールするだろうか?ということです。

「辞表届をポケットに入れてなら言えるかも…」

「そんな面倒なこと、できないかも…」

私の周りにいる繊細気質の方々に問いかけたところ、やはりこのような反応が返ってきました。

実際の強い繊細気質を持つHSPは、この漫画の主人公のように、口に出して言えないがために、ストレスを抱えてしまうことが多いかです。

このように「主張」することで周囲から「仕事ができない」「任せられない」というような「白い目」で見られることを恐れますし、それ以前に周囲に迷惑をかけてしまうのでは?と悩みます。

想像しただけでも、HSPは余計に「気疲れ」してしまって、「深読み」のループからしばらく抜け出す事ができないとも言えるでしょう。

しかし、自分の気質を受け入れたうえで、「自分軸」に立ち、本当に自分の「意に添わない」ことをアサーティブに主張できるようになることはHSPがより充実した人生を送っていく上で重要なポイントになりますので、この主人公のように「できない」ことを周囲に理解してもらう姿勢は大切だと思います。

さらに、多様性を重視する現代社会においては、そのようなことが普通に言える社会であってほしいと思う反面、「繊細」「深読み」「アクセルとブレーキを同時に踏む」等の、少々入り組んだ「思考」も持ち合わせているHSPなので、明確にこの方法が「良い、悪い」と線を引くことは難しいとも感じます。

また、仮に「自称HSP」を語った「偽HSP」が自分の都合の良いように「自分に配慮して」と一方的な「主張」を繰り返すことがあれば、自分の気質を盾にして「横柄だ」「自分勝手だ」というような実際のHSPに対する「誤解や偏見」に発展しかねないという懸念もあります。

「わがままな人」

「自分勝手な人」

この烙印こそがHSPにとって、周囲から最も「言われたくない」言葉であり、忌み嫌う嫌うNGワードに他ならないからです。

それが耐えられないから、HSPは自分を押し殺して「仕事」や「人間関係」に悩み、「生きづらい」と感じるまで、とことん自分を「追い込み」「追い詰める」傾向があるのです。

HSPの特性である五感過敏と対処法につきましては、別の記事で詳しくご紹介していますので、下記のリンクをクリックして読んでみてくださいね。

HSPに社会的関心が向けられることの「メリット・デメリット」を改めて考えさせられた漫画の一コマでした。

「また、始まった・・・」

いつも、休み明け出勤の朝、湧き上がる思い。

月曜日の朝、会社勤めの人であれば、HSP気質に関係なく、誰もが思うことかもしれませんが、

ふと、「休みたい」という思いと同時に湧き上がってくる思い・・・

「急に休んだら、迷惑をかけることになる」

「みんなにどう思われるだろう」

「こんな風に考える自分は弱いのかな?」

「こんな生活をいつまで続ければいいのだろう?」

次から次へと、必要以上にネガティブな思考を巡らせて、必要のない「深掘り」をした後に、ため息をついてしまうのが、HSPにありがちな「思考のクセ」です。

どんよりとした重い気持ちを引きずり、なんとか身支度を整えて忘れ物がないかを念入りに確認して家を出られれば、まず第一ステージはクリアです。

次なる第二ステージは、HSPにとって「ストレス」の大きい「通勤」です。

特に都心部における通勤電車には、HSPにとっての「苦手」で「辛い」要素がたくさん含まれています。

「天候」「寒暖」「タイムプレッシャー」「満員電車」「窮屈」「電車内の匂い」「電車内の温度」「電車内で近くにいる人の匂い・息遣い・接触状況」「足元の状況」…など

「息を止めたり」「ハンカチで口元を抑えたり」「マスクが手放せなかったり」あらゆる対策を講じながら、やっと満員電車を降りた後、HSPが思うこと・・・

「今日の半日分は既に終えた」

そう思うくらいに、特に都心部の満員電車においては、気力も体力も消耗します。

これは、決して「大げさ」なことでなく、「五感過敏」ゆえに過剰な疲労感を覚え、文字通り「心身共に」クタクタになるのがHSPの特徴だと思います。

さて、ここから最大の山場である第三ステージへと移動します。

このようなプロセスを経て、やっと「職場」に到着しても、次は周囲の様子が気になります。

「何か不測の事態は起こっていないか」

「不機嫌な人はいないだろうか」

「朝イチで呼び出されるような不手際はなかっただろうか」

普通に平気な顔をしてデスクに座り、朝のミーティングに参加していてもHSPの心配事は尽きません。

観ていないようでも、しっかり周囲の状況を五感センサーで感じ取っています。

そのような状況の中で上司や先輩、同僚から「ちょっと話がある」と個人的に声をかけられようものなら

「ほら来たー!私の勘はあたる…」

と心の中で苦笑いするのが日課です。

常に「気が休まらない」職場環境。

そこで「理不尽な扱い」や「過剰なマウント」「いわれなき嘲笑」等を受け続けることがあれば、HSPの繊細なセンサーが振り切れてしまうことは容易に想像がつくものです。

また、表立った指摘や直接的な接触がなかったとしても「仲の悪い」職場の人間関係そのものに「気疲れ」をしてしまうことは往々にしてあり、隣の席から聞こえてくる「ひそひそ話」に至っては「自分の噂話」ではなかったにせよ、「いたたまれず」に直ぐにでも「その場」を離れたい衝動にかられます。

「そんなに気にしなくて大丈夫だよ」

一般的なフレーズとして、その意味はよくわかっていても、HSPにとっては「気になる」から「どうしようもない」のです。そう言われて思う事は

「気にする自分が悪いのかな…」

ネガティブ寄りのエンドレスな自問自答が始まります。

このような日々の積み重ねが「蓄積」されてくるとHSPは「限界」を感じるようになり、会社勤めであれば「辞表」をいつ出そうか…本気で考えるようになるのです。

一般的にHSPが転職を繰り返す傾向が強い理由は、「不自由さ」と「気疲れ」による「摩耗」です。

働くこと自体が嫌な訳ではないのです。

むしろ、金銭感覚はしっかりとした方が多いと感じますし、やりくり上手な印象もあります。

それでも、「今の職場から離れたい」切実な理由がHSPの中で膨れ上がってしまうのです。

HSPが感じる「限界サイン」15選

HSP(Highly Sensitive Person)は、日々の刺激やストレスに対して非常に敏感なため、限界を迎えると心と体の両面にわたってさまざまなサインが現れます。こうした限界サインを早期に把握し、適切に対処することが、快適な日常を保つために重要です。以下に、HSPが「限界」に達したときに現れやすい15のサインを挙げています。

  1. 頻繁に頭痛や腹痛が出る
  2. 風邪をひきやすくなる
  3. 食欲がなくなる、または過食になる
  4. 眠れない、または朝起きられない
  5. 何気ないミスが増える
  6. イライラが続きやすくなる
  7. 自己価値を感じられなくなる
  8. 「自分がダメだ」と自責する
  9. 無気力を感じて行動が止まる
  10. 自然に触れても感情が湧かない
  11. 趣味を楽しめなくなる
  12. 「笑う」ことが少なくなる
  13. 掃除や片付けが億劫になる
  14. 周囲の人と距離を感じる
  15. オシャレを楽しめなくなる

あなたはいくつ当てはまりましたか?

少なくとも3つ以上当てはまる場合は、HSPとしてのストレスや疲労が蓄積されている可能性があります。5つ以上該当する方は、かなり追い詰められた状態にあり、特に「痛み」や「食欲不振」、「不眠」の身体症状が強い場合は、身体症状が出ている場合は、医療機関での治療や専門家によるアドバイスを検討するタイミングかもしれません。

実際、私自身も仕事の人間関係に悩み苦しんだ時には、これら15個がほぼ当てはまる状況で、漢方外来で漢方薬を処方してもらい、接骨院では鍼灸治療も積極的に行ってもらうことで、「限界」を乗り越えた経緯があります。

これは私個人の意見になりますが、「東洋医学」では心と身体は一体というセオリーがあり、身体の不調を改善させると、心のバランスも整うというメリットがありますので、「しんどい」状況を乗り越えるためには活用されることもおすすめします。

私の場合は、そのような過程を経て、少しずつ現実の問題と向き合えるようになりました。

それから、「HSP専門のコンサルタント」に出会い、今の私があります。

心と身体が悲鳴をあげている「今の職場」にいなければならない理由は何でしょうか?

経済的な理由、昇進やキャリア形成など、人それぞれに理由はあると思いますが、いずれにしても、「限界」を迎えた状況は「新たなフェーズ」に切り替える「タイミング」とも捉えられます。

本当に自分がやりたいこと、ありたい姿で「今」をすごしているのか、真剣に自分と向き合う必要があることを

「魂の叫び」として受け止める。

人は「身体」「心(精神)」「魂」で構成されています。

先述した「15のサイン」は「身体」と「心」に症状が現れている状況ですが、これは「自分」の内なる「叫び」を聞いてほしいと言う「魂」からのメッセージとして、それまで「外側」に向けていた意識を「内側」に戻す機会でもあります。

「組織体制が悪い」

「会社が悪い」

「政治が悪い」

「世の中が悪い」

「あの人が悪い」

このようなネガティブな要因を上げ続けても、おそらく現状は何も変わらないでしょう。

「今あるもの」に満足する重要性

「足るを知る者は富む」

「今、在ることに満足することの大切さ」を謳った老子のこの言葉は、「充足感」を得られない状態で、どれ程の富や名声を得ようと、高級なブランド品を身に纏おうと、「富む=幸せ」ではないことを示唆しています。

「今」の自分に「ない」ものではなく

「今」の自分に「在る」ものに着目していく

視点を変えれば、HSPの特性は「在る」ものに充ちているとも捉えられます。

そこから「ありたい自分」本来の姿を見つめ、新たなステージへ切り替えていくことも、時には必要な選択といえるのかもしれません。

例え同じ職場であっても、「観かた」が変わると「言葉」や「行動」が変わり、周囲の環境が少しずつ変化します。

変わらないとしたら、それは未だ「自分の変化」が充分ではないということ。

HSPの「限界サイン」とは、自分自身を「大切」に扱ってほしいと言う「自分」からのメッセージ。

先ずはこのサインを「見過ごす」ことなく「無視」することなく、丁寧に向き合うことが大切です。

HSPにとって、「今自分にあるもの」に目を向けることは心の安定につながります。老子の言葉にあるという教えのように、充実感を得るためには、高い地位やブランド品以上に、自分が今持っているものへの感謝を意識することが大切です。HSPならではの細やかな感受性は、自分に「あるもの」を見つめ直す力を育てるのに最適な資質とも言えます。

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