こんにちは。
HSP専門コーチ・カウンセラーのemiです。私は看護師としての知識や経験をもとにHSP繊細気質の方々に役立つ情報をお届けしています。
今回は、HSPが「疲れやすい」と感じる理由の一つである「受動ストレス」について解説いたします。
HSPが疲れやすいは、身体よりも心の疲労が関係している
「悲惨なニュースを見ると、気分が落ち込む」
「戦争や事故の画像を見ると、辛くなる」
繊細気質の方々は日常生活の中で、このように感じ苦しくなることはありませんか?
それは、知らず知らずのうちに「受動ストレス」を受け取っているからかもしれません。
受動ストレスとは、簡略にいいますと「他者のネガティブな波動(感情やストレス)に触れることで、自分も無意識にネガティブな波動に同調してしまうこと」です。
このストレスの大きな特徴は、自分が無意識のうちに触れているテレビのニュースや、SNSの情報など自分の五感から受け取るありとあらゆる情報が該当するということです。
ただ誤解のないように申し上げておきますが、もちろんこれは悪いことばかりではありません。反対にポジティブな情報に触れれば、自分もポジティブな波動と同調でき、反対にストレスの解消も出来るのです。
ポジティブな波動の主な例としては、スポーツ観戦などが挙げられます。
とりわけ今は大リーグの大谷選手の活躍する姿に注目が集まっていますが、このようなスポーツ選手を応援する中で、多く人が感動や興奮、人の持つ無限の可能性を実感し、画像を通じて観客は時に疑似体験として、自分の中にあるストレスの解消に役立てているとも言えます。
ネガティブな情報は意識化に残りやすい
「怖いと思っても見てしまったら、忘れられなくなった」
不安を煽るようなインパクトのある見出し、悲惨な出来事に関する情報を観た後に、このように感じたことはありませんか?
一般的に人は、様々な情報の中でも「自分を守る為」のリスク回避として、ネガティブな意識に引き寄せられやすいことが知られいます。
特に五感過敏で共感性が強いHSP気質の人にとっては、それがより強い「刺激」として自分の内面に取り込まれる傾向にあります。
人の脳は、リスクになりそうな情報のキャッチには過敏で、積極的に意識化しようとする特徴をもつためです。まさにそれは、太古の時代、戦国時代などはこの能力が人の生死を分けてきたと言えるのかもしれません。
しかし、情報化の進んだ現代では、私たちが得られる情報量は膨大で、一説によれば江戸時代に生きていた人が一生かけも得られなかった情報を、現代に生きる私たちはたった一日で得ることが可能だとも言われています。
そのような多くの情報が得られることで、当然そこに含まれるメリット・デメリットの両側面を私たちは日々、享受して生活を送っているというわけですね。
元来の性質として、刺激を受けやすいHSPの人は、よりネガティブな情報をキャッチしやすく意識化しやすいという特性を持ちますから、それを処理する能力に感情が追いつかず、「受動ストレス」として、心の負荷となっていくことは意識しておく必要があるでしょう。
同じ情報でも、受け取る側の「意識」で見方は変わる
「明日の食事会には、何を着ていこう」
以前から予定していた友人とのランチを控えて、私は天気予報欄をチェックします。
これらは現代社会における便利な情報活用といえます。
しかし結果は、大雨注意報!
「強い雨マーク、午前午後の降水確率100%」
そんな表示を見て、とてもガッカリする私。
一週間もある表示の中で、なぜ明日だけ雨マークなのか‥‥それを見ただけでショックを受けて、気分は一気にネガティブに落ちることも時々あります。
どうしてHSPはそれほど天候に敏感なのか…につきましては、「HSPの五感疲労の特徴」として、別の記事で詳しく紹介していますので、下記のリンクをクリックして読んでみてくださいね。
しかし、同じようなシチュエーションでも、明日は大好きな彼とデートだと仮定して、以前に彼からプレゼントされた一度も使わずにしまってある傘の出番があるとしたらどうでしょうか。
今まで出番のなかった花柄の傘を、彼の目の前で咲かせる機会があると思えば、きっとその大雨注意報の表示はそこまで憂鬱には感じず、むしろ楽しみと思うかもしれませんよね…。
このように「情報」は受け手側の意識、経験値、置かれている状況や環境と密接に絡み合って180度変化する性質をもつことも、理解しておく必要があると言えます。
自分にとって「愉快」な情報が、必ずしも相手にとって「愉快」とは限らないと言うこと、その反対もまたしかりです。
それなので、「受動ストレス」として受け取る情報とは、個々によってその差に違いがあること、同じ情報でも受け取る感情には違いが生じることを、あらかじめ理解しておきましょう。
情報過多の時代、それを管理するのは「自分」だと自覚する
「この情報は、別に見なくてもいい」
HSPは自分の特性を理解した上で、先ずは「受動ストレス」という「ストレス」を無意識的に受け取っていることを自覚することが大切です。
その上で、「得る」情報は可能なかぎり、自分で取捨選択していきます。
そうすることで、かえってHSPの場合は、物事を捉える判断材料を精選して取集することにつながりますし、多少のネガティブな情報が含まれていたとしても、「受動ストレス」として無意識にため込むことなく、必要な情報として処理することにつながるでしょう。
また、ひと昔前までは、テレビのニュースは教養として見なければならない、新聞には全て目を通さなければ学力が低下するなど「昭和イズム」的な考え方もありましたが、今は情報戦略の時代です。
日本のマスメディアが発信している情報が全てノーマルで正しいとは限りませんし、ニューズと括ってユーザーを刺激するような過激な記事を、敢えて誇張している事実にも目を向ける必要があるでしょう。
「何を自分の役立つ情報として受け取るか」
選択は受け取る側に委ねられている
「見ない=受け取りたくない」
HSPが心の健康を保つためには、まず自分が「受動ストレス」を受けていることを理解し、どの情報を受け取るかを選ぶことが大切です。情報は、選択し、コントロールすることが可能です。特に感受性の高いHSPの方にとって、これらの「護身術」を身につけることで、心の安定を保ちやすくなります。
ポジティブな情報を積極的に取り入れ、無理のない範囲で心の負担を軽減しながら生活を楽しんでいきましょう。