HSPの五感過敏とは?五感・共感性疲労でつらい人の対処法20選

こんにちは。

HSP専門コーチ・カウンセラーのemiです。

今回は、五感疲労・共感性疲労に焦点をあてて対処法20選をお伝えさせていただきます。何か少しでもお役に立つ情報となれば幸いです。

目次

「HSPとは、どんな人?」

HSP(Highly Sensitive Person)とは、米国の心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、神経が細やかで感受性が強い性質を生まれ持った人のことです。

その頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー」と呼び、その割合は全体の人口約15〜20%にあたる5人に1人があてはまると言われています。

HSPの人は、脳の「偏桃体」という部位の機能が過敏で、感覚的な五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)刺激に対してHSPではない人と比べて無意識に強く反応し、そこから受け取る情報は一般の人の何倍にも増幅されるために、「五感疲労」を生じやすく同時に他者に共感しすぎることによる「共感性疲労」も生じやすいといわれています。

「DOES」の性質が具体的に日常生活に及ぼす影響

「匂いに敏感、人混みや大きな音は苦手」

具体的には、気候の変化、光、人混みや物音・食べ物の味やにおい、人が発するエネルギー、相手の感情や周りの雰囲気、電波(電磁波)刺激など、感覚器から受け取る全ての情報に対して敏感に反応しやすく、物事を深く洞察できる一方で、ささいなことで動揺し、対人関係において過剰なストレスをためてしまうなどの特徴が挙げられます。

さらに、これらの性質を大きく4つのカテゴリーに分類したものを「DOES(ダス)」と呼びます。

D:Depth of processing(処理の深さ)

O:Overstimulated(神経の高ぶりやすさ・過剰に刺激を受けやすさ)

E:Emotional reactivity and high Empathy(感情の反応が強く、特に共感力が高い)

S:Sensitivity to Subtleties(些細な刺激を察知すること)

それでは、「DOES」について特徴の一例をみていきましょう。まずは、深く考えてしまう特性から…

①処理の深さ

今日は朝の天気予報によると、午後から雨になると予報が出ています。一般的な感覚では、「傘」を持って家を出るということが即決で決まるでしょう。

しかし、色々なことを無意識に深く考えてしまうHSPの場合は少し違います。

「雨が降ったら困るけど、帰りは買い物予定、傘を持つと荷物がかさばる」

「傘は折り畳みにするか、長い傘にするか…どっちにしようか」

支度をはじめる前に天気予報のサイトは少なくても2つ以上、確認します。

更に各々のサイトに掲載されているレーダーチャートや雨雲の変化についての客観的な情報を集めて、午後に雨の降る確率の平均値を見比べて、自分なりの割合を出して、とりあえず納得した後に、身支度に取り掛かります。

次に自分の持ち物について思いを巡らせます。

特に帰りにどうしても必要な買い物がある場合や食事会などお出かけの予定がある場合は念入りに検討を重ねます。

「折り畳みの傘にするか、普通の傘にするか」

「60%なら降らないかもしれないから、持たなくてもいいか」

「傘を持たない場合、出先で傘を買えばいいか、でもお金が勿体ないか」

「ビニール傘がこれ以上、家に増えてしまうと困る」

「濡れた折りたたみ傘を入れる袋は買い物袋と別の袋を用意した方がいいか」

「食事会の場所は駅から雨に濡れずに行けるか」

「駅直結なら傘はいらないか」

・・・・など

その結果、家から出る時間や待ち合わせの時間がギリギリになってしまうのです。

② 過剰に刺激を受けやすい

HSPは音や光、暑さや寒さ、痛みなど、周囲から受け取るあらゆる五感刺激に敏感です。

「ゴーゴーゴーン〜」

スーパーの帰り道、細い道を大きなエンジン音を響かせながらバイクが通過していきます。私は思わず顔をしかめ、耳を塞ぎたい衝動にかられ立ち止ります。

「夜なのに、蛍光飾をつけられる木々はどんな気持ちがするのだろう?」

過剰な蛍光灯の明かりやネオンが苦手な私は、いつも蛍光装飾をぐるぐる巻きにされた街路樹を不憫に思ってしまいます。

また、仕事前の雨に濡れた衣服が身体にまとわりつく不快に耐えられずに職場のロッカーには、服を乾かす為のドライヤーを常備しています。

これは日常生活に巻き起こる様々な不快なシーンに馴染む努力は欠かせません。

他にも、つけっぱなしにされたテレビやラジオ、音を立てる掃除機も苦手だったりして…。

HSPの過敏性は実に様々です。

一つ一つの感覚刺激が、その時の気分を左右し、時にこの世の終わりかと思うほどに驚いたりする。

でもその反面、小さな幸せにも心躍り、その直感は常に鋭いことから、自分に合う人やモノを素早く見抜ける能力にも長けている奥深いものです。

③ 感情反応が強く、共感力が高い

HSPは偏桃体の他、共感を生むミラーニューロンという神経細胞も活発なために、共感力が強く、良くも悪くも他者の気持ちを深く察してしまう傾向があります。

先述した、つけっぱなしのテレビとも関連しますが、悲惨な事件や事故のニュースなどを観続けるとひどく落ち込んでしまい、「受動ストレス」をダイレクトに受けてしまいます。

そのため、できるだけニュースはポイントで把握するようにして、あまり深く感情移入しないように自分なりの距離感を保つことも必要になります。

私自身も、以前韓国の船が多くの修学旅行生を乗せたまま沈没していく状況を中継している画面を目にした際には、震えてしまうほど号泣し、しばらく神経を消耗して動けなくなってしまったり、「夜と霧」というナチス政権に関連した書籍を読んで、ショックのあまり眩暈と熱で寝込んでしまった経験などがあります。

気にならない人からすれば、大袈裟に聞こえるかもしれませんが、HSPにとっては、まるで実際に自分がその場で体験しているかのような臨場感や情動を感じ取ってしまいますので、ネガティブな情報の受容には特に気を付けたいものです。

しかしその反面、何気ない日常の景色である「花」や「空」、「夕日」や「月」などの移りゆく些細な景色にも深く感動して、時に涙すら込み上げてくる強烈な感受性は、芸術的な観点からすれば、無限の可能性を秘めていることも追記しておきます。

④ 些細な刺激を察知する

「今日は機嫌が悪いみたいだ」

「体調が悪そうだけど、大丈夫かな?」

HSPは他者の声のトーンや顔色など些細な変化にも、敏感に反応します。

それは理屈ではなく、目にした瞬間に感じ取る感覚なので、その理由を明確に説明できない場合もあるのですが、とにかく感じてしまうのです。

ただ、自分の気持ちが落ち込んでいたり、ネガティブ寄りなときには、その影響が自分自身に向けられているとも感じ取りやすく、一般的には何でもないような些細な出来事に、自分のせいでは…と深く傷ついて落ち込んでしまうこともあります。

その他、物品の配置や空気感など環境面における細かな変化も敏感に察知することができるため、一般的には言われなければ誰も気づかないようなことでも、HSP気質の人はとっくに気づいていた!ということも多いでしょう。

以上のような「DOES(ダス)」の特性から五感は常に刺激されることで、疲弊して気疲れを起こすだけでなく、時に「生きづらさ」を感じるほど深い共感性疲労や、身体症状へと波及することもあります。

ここからは五感疲労を伴う各刺激への対処法について、具体的な対処法20選をお伝えします。

聴覚刺激への対処法5選

① 自分の苦手な音は何かを知る(気づく)

② 不快な音が避けられる場合は無理にその場に留まらず避ける

③ イヤホン、耳栓などを適宜、積極的に活用する

④ 不快な音の後はしばらく静かな環境で聴覚器を休める

⑤ 自分の癒される曲やHzを知り意図的に活用する

視覚刺激への対処法5選

⑥ 悲惨な事件や事故などのニュースを見続けない

⑦ 不快に感じるSNSの情報は受け取らなくてもいいと自分に許可する

⑧ 疲れを感じた時は静かな場所で目を閉じてゆっくり休む

⑨ お気に入りの絵画、画像などを意図的に活用する

⑩ 自然の恵み(花、水、空、木、月など)を積極的に愛でる

嗅覚刺激への対処法5選

⑪ 不快な臭いから逃れられない場合はタオルやハンカチを活用する

⑫ マスクを常備して有効活用する

⑬ 不快な臭いに晒された後は深呼吸後、意識して新鮮な空気に触れる

⑭ ボディソープや入浴剤など自分の気に入った香りを生活に取り入れる

⑮ 自然の風味を生かした食材、自分の好きな香りのお茶などを意図的に選ぶ

味覚刺激への対処法2選

⑯ 人工甘味料、生臭い、油臭いなど自分の苦手な味について知る

⑰ 味覚が過敏な時は「うがい」または「水」や「白湯」を意図的に摂取する

触覚刺激への対処法2選

⑱ 自分の好きな生地や素材のモノを意識的に身に着ける

⑲ 寝具は自分が心地よいと思う素材を選ぶ

五感全体への刺激は東洋医学が効果的

⑳ 東洋医学のツボマッサージ、疲労が強い時は鍼灸治療を取り入れてみる

最後に挙げた東洋医学のツボは、あまり馴染のない方もいらっしゃるかもしれませんが、西洋医学とは違い心と身体を同時にケアする効果がWHOでも大きな注目を集めています。

ぜひ、五感疲労や共感性疲労が気になる方は、具体的な対策を意識して日常生活の中に取り入れてみてください。

HSPの向き合い方

HSPは、五感や共感性が非常に敏感で、情報や感情を深く処理する特性を持つため、日常生活で「生きづらさ」を感じることも多いです。しかしその一方で、芸術性や洞察力、他者への思いやりに優れており、その敏感さは素晴らしい才能にもつながります。HSPの特性に合った環境や生活習慣の工夫を取り入れることで、感受性の強さを生かしながら自分らしく生活することが可能です。

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