HSPが看護師として働くメリット・デメリット―繊細な感性を活かすキャリアの選択

こんにちは、HSP専門コーチング「Embrace」のemiです。私もかつて看護師として多忙な病院で働き、患者さんに寄り添いながらも、時には自分が限界に近いほど疲弊してしまったことがありました。特にHSPの看護師にとって、現場の刺激や人間関係のプレッシャーは大きな負担となることがあります。しかし、その繊細な感性が患者さんやチームに大きな貢献をもたらすことも事実です。今回は、HSPが看護師という職業で直面するメリットとデメリット、そしてそれにどう向き合うかを見ていきましょう。

目次

1.患者さんへの深い共感と気づき

HSPは、患者さんが言葉にしない感情や不安を細かく察知することが得意です。忙しい日々の中でも、ちょっとした表情の変化や言動から心の奥底を感じ取り、心からのケアを提供できるのがHSPの強みです。


ある夜勤の時に、一人の患者さんが不安そうな様子でベッドの脇に座っています。HSPの看護師は直ぐにその表情や雰囲気に気づき、静かに声をかける事ができるでしょう。私もこのような場面を察知して対応する事は自然な流れの一つでした。

「どうかなさいましたか?」

タイミングよく発するこの一言が患者さんの救いになることがよくあります。時に患者さんは突然涙を流し、自分の不安を語り始めたり、張り詰めた思いを打ち明けてくださる事があります。

こうした繊細な気づきが、患者の心に寄り添い、信頼を築くきっかけになります。

2.細やかな観察力による迅速な対応

HSPの鋭い観察力は、患者さんの体調の変化を敏感に察知し、迅速な対応が可能です。少しの変化も見逃さず、早期の介入ができることで、患者さんの回復を助ける場面が多くあります。


「いつもと違う」

患者さんの呼吸のリズムやわずかな顔色の変化に気づいた瞬間、『何かがおかしい』と感じ、バイタルチェック、データの確認で急変時の対応がスムーズに進む事も多くあります。実際の場面でいつも車イスに座っている患者さんの顔色が悪く、直ぐに血圧低下の対応につなげられる等は理論よりも感覚として備わっていると実感します。

HSPの敏感さは、このような急変時や、緊急時にも大きな力を発揮します。

HSPは、職場内の緊張感やチームメンバーの感情に敏感で、職場の人間関係を円滑にする調整役としても活躍できます。忙しい現場では、緊張感が高まりがちですが、HSPの看護師はその場の空気を和らげる存在となることが多いです。

手術後の患者さんや、様子観察の患者さんが多い時は、スタッフ全員が疲れ果て、どこかピリピリした空気がステーション全体を覆う時があります。確かに必要な緊張感ではあるのですが、気を張り詰めている後輩や同僚に、ふと何気なく優しい一言をかけることで、チーム全体の緊張が解け、笑顔が戻ることもよくあります。

こうした感性は、看護チームの団結力を高め、より良いケアを提供するための大切な要素です。

1.感覚過多による疲労とストレス

HSPは、音や光、忙しさといった刺激に敏感で、それが長時間続くと心身ともに疲労が溜まりやすくなります。特に、緊急対応が求められる場面や夜勤などは、HSPにとって過酷な環境となりやすいです。

「ずっとモニター音が聞こえる」


かつての私自身もそうでしたが、病棟で鳴り続けるアラームが家に帰ってからも耳から離れないことがあります。また病棟内では常に気を張っている事もありどんどん疲れが溜まっていくのを感じることがあります。そんな時は、例え一瞬でも少し静かに深呼吸して、自身を落ち着かせてから、次の作業に入る事が必要だと感じていました。

HSPは、患者さんや家族の感情を強く感じ取ってしまい、それが自分の中に溜まってしまうことがあります。看護師という職業では、悲しみや辛さに直面する機会が多く、感情的な負担が蓄積しやすいです。


ずっと受け持ちをさせていただいていた患者さんが亡くなったとき、家族が悲しみに暮れている姿を見る時、患者さんご本人が死への恐怖に慄く姿を目にする時、その思いが痛いほど伝わり、常に自分の心が重くなるのを感じていました。しばらくの間、気になった出来事が頭から離れず、ネガティブな感情がずっと心に残ってしまうこともあります。

HSPにとって、感情的な負担をどう処理するかが大きな課題です。

HSPは、職場の人間関係にも非常に敏感で、スタッフ間の緊張や衝突を感じやすいです。結果的に、必要以上に自分を責めたり、不安を感じてしまうことがあり、ストレスが増加することがあります。

「自分は能力が低い」


先輩看護師から厳しい指摘を受けた際、他の同僚が同じような指摘を受けても引きづらずに切り替える事であっても、私にはその言葉が深く刺さり、長い間そのことばかり考えてしまうことがよくありました。自分のため、患者さんのためにと理解はしていても感情が疲弊していると素直に受け止めきれないのです。

このようにHSPは、他人の言葉に対しても非常に感受性が高いので、自分に厳しくなりがちです。

HSPとして、繊細な感性を持ちながら看護師として働くためには、セルフケアが欠かせません。具体的に自分を守るポイントについて考えてみましょう。

静かな職場環境を選択する

可能であれば、救急外来やICUのような慌ただしい部署ではなく、比較的落ち着いたホスピスやクリニックを選ぶことで、HSPはエネルギーの消耗を抑えられます。

自己感情のケアを意識する

感情的な負担を溜め込まないよう、定期的に自分の感情と向き合う時間を持つことが大切です。リフレクションやカウンセリング等を利用するのも効果的です。

自分のエネルギーを意図的に管理する

疲れを感じたら早めに心身共にリセットできる方法を見つけることが重要です。特にエネルギーの消耗が大きい事を自覚して管理、充電することは燃え尽きないためにも不可欠です。

HSPの特性をどのように使うか

HSPの特性を持ちながら緊張感の強い仕事である看護師として働くことは、確かに大きなチャレンジでもあります。しかし、その繊細な感性は、患者さんのケアやチームの雰囲気づくりにおいて大きな強みともなります。自分に合った環境やセルフケアを大切にしながら、無理なく働き続けることができるよう、ぜひ自分自身も大切にしてください。

もし、あなたがHSPとして看護師として働きながら、日々の疲れや感情の負担に悩んでいるなら、ぜひEmbraceのサポートを受けてみてください。私は、同じHSP、看護師としての経験を活かし、繊細な感性を強みに変えるコーチングを提供しています。

気力でもあるエネルギー管理に焦点を当てた「エナジーケア」や自己肯定感の低いHSPが自己受容を深めることで自己実現を達成していくプログラムを通じて、現状に悩み、キャリアに迷うあなたが、自分らしく働き続けるためのお手伝いをいたします。

ご興味がある方は、どうぞEmbraceのホームページから詳細をご覧ください。

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